本編なき外伝と、面白き3ヶ月と
先日、「ハルサー愛」の映像を紹介したときに、ちょっと検索したら当時この映像を見た映画人の方の感想があって、
「でも予感だけ。誕生篇ではなく、活躍篇をちゃんと作って欲しい。つうか誕生篇はそのあとでしょ。」(※ 真喜屋力さんのブログから引用)って書いてある。
ぐっはっは。やっぱそう?。でもね、誕生篇どころか、その次が「外伝」っていう困った作品がここにあるぜー。
横浜見聞伝スター☆ジャン 外伝 —横濱謎解き大作戦!じゃん!!— っていいます。
(※タイトルにティルダが入っています。化けるから「—」で代用してあります)
あ、知ってますよね。
5月から始まって、8月で終わりました。ハマナビという30分番組の中で、5分のコーナーを13回。
全編拝見しました。
たぶん、時間が許したらこういう風にしたかったんだよね。わかる。わかるんだけどさああああ、って心で叫び続けた3ヶ月でございました。
全部が可能性の切れ端なんだ。
ほんとうに外伝という形で横浜の名所紹介に徹することもできただろうと容易に想像できるわけだけど、そうじゃない。
5分しかないところにいろんな色気を詰め込みながら、本編に続く物語を描こうという姿勢と、キャラクターで遊んでしまいたい心とがクロスした見取り狂言。
あるいはいわゆる「薄い本」。
昔読んだ手塚先生のまんが入門みたいな本だったかに書いてあったんだけど、最近の漫画家志望の人が持ち込んでくる原稿は、途中までしか書いてなくて、つづくになってて、欄外に「さあこの続きはどうなるのでしょうか?」的なことがかいてあるっていうの。(「昔」の「最近」だから、昭和の後半くらいの話ですね。)
そういうことを思い出したりしました。
ちなみに外伝はここで配信されております。した。→ http://www.tvk-kaihouku.jp/starjyan/
(2013.9.4 追記:OPEN YOKOHAMA での配信は2013年8月末で終了しました。
ハマナビの動画は見ることができますので、どうしても見たいかたはそちらをチェック。
毎回開始後10分くらいで始まるよ。
見方については、こちらのエントリをお読みください。
)
人物の関係性が見えないのにはストレスが貯まりました。ニック登場の辺りまでがツラかった。
知ってはいるんだ。相関図ちゃんと見てるし、Episode:0ももちろん見てるし。
けれど、知っていても、書かれてないところを補いながら見るのはエネルギーがいります。
これは、知らなくてもいいというのとは違うし、
あえて描かれていない行間から見えてくるものがある、というやつとも違う。
たとえば、少し寒くなってから、間違いなくここは紅葉の名所だろうというところを通りがかることがある。
色のないところに想像をたくましくすると、紅葉の山が見えるわけです。
ああ、綺麗だろうなあ、って。でもずーっとそうしてるのはしんどいの。
だって、ないんだもの。
ブラックナイトが出てきた辺りからは少し楽になりました。流れがこなれてきましたね。
もし、今後スタージャンがどんどん展開していったら、スタージャンワールド全体で見たときに、
Episode:0はパイロットなんでしょう。
この「ハマ謎」は、挿話的なものとして位置づけられるのかなあ?
本編が後でできたら、外伝の出来は、あくまで外伝、という理由をもって語られるのでしょう。
しかし、我々はいまのところ外伝を見るしかないわけです。本編がどんなものか誰も知らない。
「群盲象を評す」という話がありますね。目の見えない人が象の一部を触って「扇っぽい」とか「縄っぽい」とかいう話。
それと、象を知ってから触るのとではたぶん違うだろうと思うんですね。
私の感想は、リアルタイムで追った記録として置いておくけれど、あとから読む人は同じ実感をもつことはないのかもしれないなあって思う。
それはそれとして、この3ヶ月、伴走すること自体というか、伴走しちゃってる状況はとても面白かったです。
駅伝や、マラソンの中継を見ていると、快スピードで走っているランナーと一緒に、応援の人垣の外側を自転車で一緒に走ったり、自分の足で一瞬だけ同じ位置を走っていて、全力で走りながら遅れていく人っていうのがいますが、ああいうの。
ランナーは驚くべき速さなので、ずっと一緒には走れないの。
走って、遅れて、違う道を先回りして、並んで、また遅れて…。
ただ追っかけるだけじゃなく、ちょっとでもなにかやって同じ速さで走ろうって、ロケ地をめぐってみたり、ラーメンも作りました。合間に見聞(ショー)も行きました。大根も買ったし。
そういうのはとても面白かったです。
そして…日に焼けたー。
そんなこんなでずいぶん中華街に行ったのに、方角がよくわかっていません。
だが朝陽門だけは間違いなく行けるようになった。ふふふ。
それと、にいさんがたの、銭湯で見聞、エプロンでお料理、などなど…
何かから出た誠っていうか、ほんまにやるんかいって、それは感慨深いものがありました。
なにより、おんなじ時間にテレビ見て。同じことについて語る。(Twitterでだけど)
他の地域でやっててうらやましかったことがちょっと実現したのはうれしかったし。
次はお絵かき?
ちょい呑み?歌う?生配信?
可能性の切れ端は沢山あるじゃん。
「明日登る山も見定め いま終わるひとつのこと」(斎藤喜博 「ひとつのこと」から)。
※ワタクシが、各話が終わるたびに書きためてきた感想はこちらにあります。