夜桜お染と獅子王院の回想(雑談)

時代劇,風神の門

(ネタバレあります)

夜桜お染。2003-2004年、フジテレビ、映像京都の作品。若村麻由美のお染。この作品すら20年以上前になってしまった。
BSで斬九郎の合間にたびたび再放送があるので3周くらいは見たかと思うが全話録れていたか自信がなくて、一応と思って録画していた。

お染は元は売れっ子の旅芸人だが今は芸ごとの師匠で身を立てている。
毎回の事件解決ものと見せながらお染の親の死の真相を探るストーリーと、仇を探していたら帰る藩が滅亡していた男の話が軸としてすべての話を貫いている。
元の元は武家の娘だった"御家人斬九郎"の蔦吉を思わせる境遇だが、なにしろ主人公なので、もっと芸達者でもっと七変化でもっと込み入った事情があって最終回。
伊三郎(演ずるは引退した殺し屋の似合う男、遠藤憲一)という男がお染が幼くして生き別れた兄ではないかという含みで終わる。

この伊三郎は、かつては隠密として非情のつとめをしていたのだ。

暗い店の中で境遇を語る伊三郎と、ひもじくて売り物に手を出そうとした小さなお染の回想映像と、
クレジットで「金子成人」の文字を見た時に、シナプスが繋がった気がした。

そういえば風神の門の獅子王院には青子と同じくらいの歳の妹がいたではないか。幼いうちに飢えて死んだという。

一方お染は6歳で親をなくし兄と生き別れたが、運良く旅芝居の一座に拾われてながらえる。一座の甚六によれば拾われた時にはがりがりに痩せていたという。
それでも小さな妹は命を落とすことなく、兄も忍びの世界から抜けて暮らしており、再びまみえるのだ。

これも猿飛三世と同じような、あったかもしれないアナザー風神の門的エピソードのように思える。
20年も気づかなかった。

関係ないが私はこの作品の中で屋根屋(仮)の音次が好きで、もし愛之助でいちばん好きな役を聞かれたらうっかり屋根屋と答えてしまうかもしれない。
最終回、愛之助が自前の軽わざを見せている。20年後舞台で孫悟空としてバック転してたそうだ。えらいもんだね。