その塔の上に空はあり、塔の下に地はあり、そしてすべてはつづいている…じゃん
前にも触れたことだけれど、「あのヨコハマ」と、自分たちが住んでいる町を同じと思っていない横浜の人は、たぶん多くいる。
横浜は広い。横浜はそれ自身の中で分離してしまっている。「始まりのヨコハマ」に対して、それ以外の横浜の人は冷めている。
かつてのY150の失敗(だとおもう)はそういうことからも生じているんだろうと思う。
みなとのエリアでなにかやっていたのと、山の方で何かやっていたのの、みごとな分離っぷりもなんともいえなかったし、一般の市民が、我が町の祭りとして行きたいと思うような催しでもなかった気がする。
スタージャンはどっちの側なんだ、「あのヨコハマ」か、それとも、この町か。
それは、菊名から、港北から、踏み出した瞬間に、このヒーローが抱えた命題であって、
横浜のひとがこのヒーローに向き合うときに、戸惑う点なのではないかと思う。
(さらに言うと、それは映像作品とライブと、というような問題とも絡んでくる話です。)
横浜とは何だ。どのようにこだわればよいのだ。
…彼らと向き合えば、それを考えざるを得ない。
というか、
彼らはこうあるべきだ、と考えることは、あなたの横浜観をあらわにする…かもしれない…よ。
きょう。
(もう昨日なんだが)マリンタワーでショーがありました。
そこには、ベビーカーをひいた近くのお母さんが訪れ、少々遠目の横浜から娘さんの手を引いたおとうさんが訪れ、
たまたまその地に来た人が、たまたま開催されるアトラクションとしてその時間を待つ。
スタージャンに限らないいろいろなアトラクションを追いかけている人が、ここにも来てビデオカメラや一眼レフを構えている。
もちろん毎回見る顔もいる。
ショーが始まれば幼子の「がんばれー」の声で満たされる。皆がこのショーを楽しみにしている高揚した空間。
その感じは、ベイエリアでのショーではときおり感じられるものです。
これは多分、会場に「ついた」お客さんがいるのと、
誰でもいけるオープンなスポットである「観光地」というシチュエーションが、Welcome、Open、「公」「楽」(「らく」は楽市楽座の楽。ふだんのしがらみを引きずらない自由。)な雰囲気を持っていることと無縁ではないと思う。
観光地っていうのは、ただ行く、見に行く、という目的でいいわけで、(←それは「一応は横浜、の市民」が自分の住んでるところからそこに出てくるということも含めて。)
そこに見るものがあるというのと方向性が一致するのも、ショーと相性がよいゆえんかもしれない。
「横浜に、会いに行けるヒーローがいたなら」
その元々の着想自体はこのマリンタワーにおいて成功しているという気はします。
再びその体験をするために、皆戻ってくるんだ。
しかし、なんでマリンタワーなんだろうか、彼らはアチラ側ナノデスカ、という引っかかりは多分残るのだろうね。
ちなみに言うと、私にはそのひっかかりはもうほとんどありません。
マリンタワーやイオンにいるスタージャンは最も彼ららしいもののひとつであるということと、
菊名の神社での人気っぷりはもちろんであるということと、
いつも行かない地域の施設での見聞なんかで人来ないときにはぜんぜん来ねえなあ、ってのと、
うちの近所にもいつか来るのかな(呼べば来るんだろな)ということと、
それは横浜の魂のひきさかれっぷりのようでもあるが、全部同じスタージャンなわけさ。いまのところね。
(ただ、映像作品と地元スタージャンさんをどうとらえればいいんでしょうか?という思いは少し残っています。)
きょう。
横浜に住んでいるのにマリンタワーにも、赤レンガにも来たことがない、というひとが、スタージャンに会いにそこへやってきました。
多分、一度来たくらいで、アレとコレが同じと思えるかというと、それはどうかなと思いますけど
まあそうやって、来たことのなかった「あのヨコハマ」へ来る人はいるわけだ。
一方で、会いに来てくれるのを待っている人も多分いてしまうのである。
一見(いちげん)の人に来やすい場所で、近所。自分たちが見られるように来てくれている、と思えるようなところへ行く必要があるんでしょう。
そうなるには、呼んでもらわなきゃいけないんで、まず知られることからという、一見矛盾したような要件がある。
それゆえ、こちらの方面は分野が偏り、微妙に手薄であるとも言えます。
いま、横浜という線で囲まれたところから踏み出してみようと、横浜をすべての空に繋げようという一歩を彼らは歩み始めていると思います。
けれど、その軸足は、同時にこの土地を踏んでいるはずである。横浜に来れば彼らに会えるのでなければ意味がないものね。
そして同じ横浜であれば、彼らはくるはずね。
広い横浜の地からそれぞれ巣立つこども達が誇りとするような共通の星となることはできるかな。
まだ道は続くじゃん。
#マリンタワー見聞のお写真はまたあとで上げますねん